手術室に看護はあるの?

ペリっ子なーすはじめの一歩

 おそらく100人いたら99人の看護師さんは「ないんじゃないの?わからない?」と言うでしょう。

 そんな看護師さんに一言!

 「手術室にも看護はありますよ」

 ということで、手術室の看護とはなんぞやということについて解説していきたいと思います。

そもそも看護って?

 1860年フローレンス・ナイチンゲールが「看護の覚え書」を書いて以降、多くの理論家たちが看護理論を打ち出してきました。しかし、それぞれの理論家たちは共通して「人」へのケアを行う専門職であると述べているものの方法論については様々です。おそらく「看護はこうだ」って、一言で言い表すことがとても難しいのが看護であるため様々な方法論が存在するのではないかと思います。
 という事は、具体的に看護とは何かを誰もが納得する形で教示する事が未だにできておらず、現在も看護学は探究され続けている現在進行形の非常に面白い学問なのではないでしょうか。

 では、みなさんが思い描く看護ってどのようなものでしょう?
 頭の中で一言で言い表してみて下さい。

  • 患者さんとコミュニケーションをとる
  • 患者との関わりを通し回復する手助けをする
  • 注射・処置・日常生活援助などをする

 などなど、看護に対する思い・考え方は人それぞれではないでしょう。
 看護師が10人いたらおそらく10人ともが違う看護観を語るでしょう。
 現に新卒看護師は、どこかのタイミングで「看護観」についてレポートもしくは発表する機会が必ずあるのではないかと思います。その時のことを思い出してみると、おそらく誰一人同じ看護観を語った人はいなかったのではないでしょうか。本質的には同じでも考え実践している事は違っていたはずです。

 と言う事は、看護というものは「専門的な知識・技術をもち、人に全方位的アプローチしケアする」こと以外は、それぞれの看護師が根拠に基づきさえすればどんな形であれ看護であると受け取ることができます。現に日本全国140万人の看護師は様々な場所で看護観をもちケアしています。であれば、手術室で働く看護師も手術患者にケアしていれば、それはもう立派な看護なのではないでしょうか。

手術室にも看護はある!

 手術室においても、超特殊とも言える知識・技術を兼ね備えた看護師が日々看護実践している。その多くの看護師はおそらくこう言うでしょう

 『私たちが手術室内で行っている事は全て看護

  • 手術前の部屋の準備
  • 手術器械の展開・メンテナンス
  • 器械出し・外回り
  • 術前・術後訪問

 患者に直接的に行うケアもあれば、そうではないこともあります。
 例えば手術器械の展開などは患者ケアと関係がないじゃんって思われるかもしれないですが、私は大いに関係があると思っています。何も、直接的なケアだけが看護ではないと思っているからです。器械展開を不潔にならないよう行う事は、患者の感染リスク低下に大きな影響を与えます。もし、不潔にしてしまえば、入院期間の延長だけでなく、心理的不安、はたまたその家族に与える不安・経済的な負担など様々なことに影響を与えてしまいます。果たしてこのような状況にしてしまっていいでしょうか?

  当然、答えはNoです。

 私たち手術室看護師の役割は、安全・安楽にそして安心して手術を受けてもらうことです。それが直接的なケアもあれば、器械展開などのように間接的なケアもあります。
 手術看護に対する見方を少し変えるだけで、実は手術室内で行っている事は全て看護になるんです。

『いやぁ、私にはそれを看護と考える事はできないわぁ』

と思われる方も当然いるでしょう。
そう言った考えを私は一切否定するつもりはありません。
 「何故かって?」

 最初にも言ったように、看護は10人いたら10通りの考えがあるからです

 だから、いろんな考えがあって当然なんです。ただ、手術室にも看護がある、それだけなんです。

 今後はより具体的に「手術看護」について情報発信していくので興味を持ったら次回以降も読んで下さい。

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