スクラブを着る理由

ペリっ子なーすはじめの一歩

 手術室では白衣ではなく、「スクラブ」を着ます。
 スクラブを着ているとカッコイイなと思われる方もいますよね。

 では、ナゼ手術室でスクラブを着るのかその謎を紐解いていきたいと思います。

スクラブとは?

 スクラブの語源は「ゴシゴシ洗っても丈夫な衣服」というところからみたいです。

 手術室では、血液・体液が飛散しスクラブが汚れる機会が多く、その度にスクラブを交換します。すると、必然的に洗濯回数が増えスクラブがすぐにボロボロになり交換しなければいけません。そうなればユニフォーム代だけでも馬鹿になりません。
 そこで、ユニフォーム製造各社は何度洗っても洗濯に耐えられるだけの素材にしたらいいのではないかと考え、ポリエステル素材の「丈夫」で「耐久性」があり、かつ「速乾性」のあるユニフォームを販売し始めました。

 以前は綿素材が主流であったため、カラーバリエーションも少なく地味な感じのスクラブばかりでしたが、現在は化学繊維を使用していることからも、カラーバリエーションのみならずデザインも多種多様で、今では手術室だけでなく、ER・ICUや小児病棟など各部署で着られることも多くなってきました。

ナゼ手術室はスクラブ?

 スクラブの特徴である、「丈夫」「耐久性」「速乾性」以外にも、手術室内でスクラブを着る理由があります。

 手術室内は感染予防のため空調管理され、空気中のホコリや浮遊菌を絶えず排出しクリーンな空気を供給しています。

 そんな中、私たち手術室で働く医療者が着ているスクラブからホコリを出すわけにはいきません。
 手術室以外の病院内で着ていた服には、想像を絶するほどのホコリや浮遊菌が付着しており、そのまま手術室内に入ると、服に付いていた何百・何千万、そして何日も洗濯していない白衣なら何億というホコリ・浮遊菌が剥がれ落ち、手術室内の清浄度を一気に下げてしまいます。
 そのため、手術室内に入る際、手術室外で着ていた服から、少しでもホコリ・浮遊菌の付着量が少ないスクラブに着替えることによって、手術室内の清浄度を下げないようにしているんです。

 実はスクラブを着る最大の理由はこれなんです!

 が、しかし、多くの人はスクラブを着たまま手術室の外に出たりしていないでしょうか?

 例えば、お昼休み・術前訪問などでスクラブを着たまま手術室外にでて、そのまま手術介助に戻ったりしていませんか?

 その行為自体、手術部位感染のリスクを増大させているんです。

 近年、オシャレ感覚でスクラブを着ている感がありますが、本来のスクラブの意味を考えなければ取り返しのつかない事になりかねないので、明日からでも遅くありません、手術室外に出る時は白衣に着替えて出るようにしましょう。
 (施設によっては厳格にルールを設けているところもありますよ)

手術室に適した色は?

 スクラブのカラーバリエーション・デザインは多種多様で、各施設色々な色のスクラブを着ていることと思います。しかし、手術室内で着るスクラブには、実は適した色があることをご存知でしたか?

 それは「緑色・青色」なんです。

 執刀医は血液の赤に染まった術野をずっとみています。すると、生理現象の一つである補色残存現象が起きます。
 何かというと、赤色をずっとみていると網膜上に反対色である「青緑色」を作り出します。すると、術野から目を離し他の部分を見た時、なんと不思議、「青緑色」に見えるんです。網膜に残像が残っているためこの現象が起きます。この時、網膜に残像している「青緑色」のスクラブであれば、残像している色と同色であるため、目にストレスがかからず術野に視線を戻しても問題ありません。
 しかし、そのほかの色であった場合、目がびっくりしてしまい術野に目を戻しても、少しの間色を認識しにくくなるんです。

 そのため、手術室内の壁の色なども「青緑色」になっているんですよね。

 だから、手術室内で着るスクラブの色は執刀医の目に優しい「青緑色」にするのがベストなんですよ。

長袖のスクラブがベスト!

 手術室内は寒いため、ユニクロのヒートテックなどのインナーを着ている方も多いのではないでしょうか。
 しかし、インナーを着ることを禁止されている手術室もあるため、アウターを着ている人もいるでしょう。

 では、半袖と長袖、どちらが手術室にとってベストでしょうか?

 間違いなく『長袖』です

 理由は簡単、「皮膚の落屑物が手術室内に飛散しない」からです

 人間の皮膚は毎日毎日剥がれ落ちます。手術介助についている間も、多くの皮膚が剥がれ落ちます。ですので、手術室内ではできる限り皮膚を覆い落屑物による汚染を防ぎます。
 AORNでも手術介助の際は長袖のスクラブを推奨しています
 よって、スクラブは長袖がベストですが、自分のインナーを切るのは絶対にやめましょう。血液・体液などが知らない間に飛散し、インナーを汚染→自宅に持ち帰る→感染拡大。

 ですので長袖のスクラブがない場合、新規購入するタイミングで上長に提案してみたらどうでしょう。

 以上、手術室でスクラブを着る理由について解説してきましたがいかがだったでしょう。スクラブにもとても大切な意味があるため、目には見えないですが手術室内にホコリ・浮遊菌を持ち込まないよう気を付けましょう。

 最後までお読み頂きありがとうございました。

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